2002年1月 「お天気とキャンセル」
うちのキャンプ場は、基本的にはキャンセル料はいただいていない。それは、「ファミリーキャンプ場」という名前にある通り、ファミリー=子供連れでの利用者が90%以上なのだが、子供は急な発熱で楽しみにしていたキャンプにいけなくなってしまったというようなことはままあることだ。子供がいつ熱を出すかわからないので、予約をするのが気が引けるとおっしゃる方も多いことから、安心して予約できるようにキャンセル料はとらないことにしたという背景がある。
時には、「子供が熱が出ていけないかもしれない、熱が下がればいけそうなんですが。」と電話をくれる方がいるけどそういうときは、「無理をしないでキャンセルしてください。」と伝えている。無理にキャンプ場まで来て、熱がひどくなったりして夜中に病院にいかなければなったりしたら、子供が辛いだけではなく、まわりにたくさんの迷惑を掛けることになる。だから「無理をしないで」となる。
それで、本題はここから。電話で予約を受け付けていると、「お天気はどうですか、雨が降ったらキャンセルしたいのですが、キャンセルするとキャンセル料はいくらになりますか」と聞かれることが多い。天気予報が晴れから雨に変わったりすると、てきめんキャンセルが多くなる。キャンセルの時は、みなさんいろんな理由を言ってくる。「雨が降りそうなので*1」という直球型から、「仕事の関係で急に」という方、中にはほんとうなのかどうなのか「会社が倒産してしまって」というのまである。中でも一番多いのが「子供が熱を出しまして」というものだ。前述のように、子供は急に熱を出したりすることはよくあることだし、こちらも無理をさせたくはない。ところが、天気がよい(と思われる)日の予約にはこういったキャンセルはほとんどないのに、天気予報が雨を告げたとたんに、たくさんの子供が熱を出す。
ま、その場かぎりの言い訳なんだろうなと容易にさっしが付く。(中には本当に子供が熱を出してということもあるだろうが)オーナーはそんな言い訳はもういいかげんうんざりしているという。言い訳の逃げ道を子供に求めているところが気に入らないらしい。
今年から、オンラインで予約ができるようになったことはみなさんもご存じだと思いますが、オンラインで予約ができるのだから、もちろんオンラインでキャンセルする機能もある。予約の時にはコメント欄が用意してあって、お客様からキャンプ場に伝えたいことを自由に書き込めるようにしてある。「初めて利用します、よろしくお願いします」とだけ書いているひとや「施設の近くをお願いします」などの要望を書いてくるひともいる。だが、お気づきだろうか、予約キャンセルの操作画面にはコメントを書く欄がない。このシステムの開発時には、「キャンセル理由」という項目があったのだが、オーナーの「言い訳は聞きたくない」の一言で、削除されたのだ。
キャンセルで一番困るのは、連絡なしのキャンセルだ。つまり、チェックイン予定の日に待てどくらせどお客さんが来ないのだ。私たちが「ドタキャン」と呼んでいる(ホテルなどの専門用語では「ノーショー(No Show)」というらしい)この連絡なしのキャンセルは、シーズンに2〜3件ほどしかないのだが、たいていゴールデンウイークとかお盆とかのピークの頃でとても印象が強い。今年もあった。ゴールデンウイークに、よりによって3台で2泊ときたもんだ。こういう場合、夕方まで待って電話をするのだが、たいてい留守番電話*2になっている。
これは他のキャンプ場の話なのだが、徹底してキャンセル料を請求するという。もう、それは損得とかではなく、頭に来ているのだという。ピークの時期にサイトが空いてしまったという口惜しさではなくて、なんの担保もとらずに電話一本で予約を受けているのは、お客様を信用しているからであって、その信頼が裏切られたことの悔しさだとそのキャンプ場のオーナーは話していた。確かにそうだ、予約の時は名前と電話番号を聞くだけでどこの誰なのか解らない方の予約を受けるのだ。お客さんも、電話一本でした予約できちんとサイトが用意されていると信用してくれている。お互いの信頼関係の上に成り立っているのだ。
ドタキャンがあった日は、オーナーはブルーな気分になるらしく、ドタキャンがあるたびに「予約金を振込んでもらうようにしようか」という話を持ち出す。「そんなことしたらお客さんが不便になるよ」「入金の管理は大変だし、キャンセルの場合は預かり金の管理までしなきゃならないじゃない」「年間数件のドタキャンのためにそこまでしても費用的に見合わないでしょ」と、毎度毎度説得をしている。「そうか、そうだよな」と納得してくれるけど、ドタキャンやドタキャンでないにしても規模の大きいキャンセルが頻発するといつまでもオーナーを説得できない。ここは、利用してくれるみなさんにかかっている。予約はよく考えて、どうしてもキャンセルする場合にはできるだけ早く、最悪でも前日の6時までには必ず連絡を。
*1雨が降りそうなので
そんなに雨がいやか?「アウトドアーを満喫」とか「自然に触れる」とかいうのに、雨だって自然の一部だし、アウトドアーにはつきものだ。雨が降ったら中止。アウトドアーや自然の都合のよい部分だけを楽しもうというのは都合が良すぎる。
そうはいっても雨の中の設営や撤収は楽なものではないのは理解できる。したが土のキャンプ場などはどろどろになって大変かもしれない。テントを畳むときに泥が付いてしまって、あとで洗うのに骨が折れるかもしれない。その点、うちのキャンプ場ならば大丈夫。全面芝生だからテントも泥だらけにならないし、水はけがよいから雨さえ止んで1〜2時間もたてば大丈夫。だから、うちをよく利用しているお客さんは、雨のことはあまり心配していない。むしろ「雨のキャンプを楽しんでいる」ように見える。
*2たいてい留守番電話
出かけているのだから、留守番電話なわけだが、出かけている先は別のキャンプ場かもしれない。中には、いくつもキャンプ場を予約しておいて、当日の気分でゆくところを決めるなんていうひどい人もいるらしい。そういうひとは、行くことのできないキャンプ場を毎年増やしていることになる。それでもおかまいなしなんだろうな、だってキャンプ場は全国に何百もあるから、毎年5つくらいのキャンプ場をドタキャンしても、20〜30年くらいは大丈夫な計算だ、そのうちキャンプ場のほうもそんなことは忘れて予約を受けてしまうとたかをくくっているのだろうが、うちのキャンプ場ではそうはいかない。オープン当初からの予約・利用状況がデータベースによって管理されているから、電話がかかってきただけで「ドタキャンの人だ」ってわかってしまう。(でもそれも名前を変えたり偽ったりされれば無防備なんだな)